澄んだ水に
梅昆布茶

小魚の様に無心に生きる 花びらの様に綻びる 風の様に巡り 夏の様に燃えさかる
春の様に流れ 雪の様に舞う 歴史の様に積み重なり 光の様に消滅するのだ

その姿は見えない 誰にもさわれない 湧き上がってはまた散り散りに散華するのだ
陽光の中にある気配 とめどなく乱れ飛ぶ想い すべてが拡散してゆく

流れる 流れて 流れる様に しなやかに崩れてゆくので

憂鬱な秋の落ち葉の様に 毎日毎日同じ色をしている 小鳥の様に唄ってばかりいるんだ素敵だろう

アイルランドの緑の夏に イングランドの森に アイスランドの火山のふもとに
明滅する街の灯りに 離れてゆく君を想う 小さく口笛を吹いて
澄んだ水にキスをする

すべての鐘を夜どうし鳴らすんだ すべての警鐘を すべての絶望を

澄んだ水のように


自由詩 澄んだ水に Copyright 梅昆布茶 2013-08-14 01:02:56
notebook Home 戻る