銀河の鳥
梅昆布茶

その鳥には名前が無い 永く忘れていたのかも知れない

その馬には乗り手がいない あまりに荒々しいから

その石には角が無い ずっと転がってきたから

僕は銀河の鳥の名前を知りたかった
手製の宇宙船で食料と水を積み込んでTERRAを出発したんだ

宇宙図鑑にものっていない銀河の鳥
その種類や生態は誰にもわからない

神のみぞ知るその鳥の名は遠い昔神が名付けたもの
もちろん宇宙もある有機と無機のバランスで成り立っている
それを媒介するのが銀河の鳥なんだ

僕たちは飛翔しときにワープする 時空のしきいを超えて
それは何千万年にも及ぶ旅 僕らの魂が軽やかさを保つために

言葉は虚無を冒瀆し続けそれは詩となった
女神の天秤は公平に死をもたらすもの

時間と距離の相関は永遠の課題だが 僕の手製のタイムマシーンをネットで買ってくれ
でも心の問題は解決できていないけど

アイルランドの片田舎に育った僕だが宇宙は僕の庭
ガーデニングを天職だと想ってた

いま宇宙のガーデニングに飛び立つ
そうボブディランのように転がる石のように風にふかれて

僕はアイリッシュトラディショナルが大好きだ
それは森羅万象 宇宙に通底しているんだもの

もうアンドロメダの個々の星がしきべつできる距離に達した
星人のテレパシーも感受できる きわめて友好的みたいだ

やがて銀河の鳥の情報も入手できるだろう
君にも教えよう この宇宙のささいな秘密を

君だけが宇宙なんだ
銀河の鳥は君だって

帰るところはわかるだろう
そう 銀河の果ての第三惑星なんだ
ねえ 銀河の鳥よ



自由詩 銀河の鳥 Copyright 梅昆布茶 2013-08-04 18:26:31
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