しあわせを釣る
かんな



釣りなどはじめてみた
君の影響かしら
と思ってみるけれど
釣り好きの君の傍らにいて二年間
そういえば竿のひとつも持たなかった
たまたま起きた早朝の四時に
君がいつものように釣りに出かけるという
それについて行ってしまった
つまりはわたしが釣られたのか
しかしどうやらこの話をすると君はちがうといい
わたしが君を釣ったという
今朝はスズキをふたりで一匹ずつ釣った
わたしにとっては初めて釣った魚だ
ということはほらわたしは君を釣っていないなどといい
やはり君がわたしを釣ったのだと主張する
釣られた二匹のスズキを見れば
さほど大きさも変わりなく
すこし身の付き具合がちがう
とすればまあお互いさまかな
などとわけのわからないことをいい
話に終止符をうつ





自由詩 しあわせを釣る Copyright かんな 2013-08-04 09:45:13縦
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