テシ坊のこと
梅昆布茶

テシ坊が死んだ
たまたま声が聞きたくなって携帯に電話をかけたら彼女が出て
去年亡くなったという

東京の西葛西に住んでいた頃膀胱がんになった
煙草もやめて摂生していたのだが

その後名古屋の家賃一万五千円なりの市営住宅に一人で住んでいたが
彼女はどうしたと尋ねたらどこ行ったかわからんという返事
でもどうやら戻ったらしい

テシ坊は大学の同級生
彼が卒業できたのはきっと僕の代返のおかげだ
よく彼のマンションで徹マンしたりジョニ黒飲んでJAZZやROCKを聴いたものだ

当時からモテる男で僕とは対極的バイトに明け暮れていた僕とは雲泥の差
早々と年下の子とくっついて子供もできた
まあじき別れたけれど

病気とはいえこの歳になると知り合いが少しずつ欠けてゆくのは
当たり前ながらさびしいことである

また一人僕の大切な友人が星になった
まあ僕だって時間の問題だが


自由詩 テシ坊のこと Copyright 梅昆布茶 2013-08-03 16:25:23
notebook Home 戻る  過去 未来