爛漫蘭
朝焼彩茜色

あの蘭の背骨 老婆の屈み 顔は幾何学じみていて
あの蘭のようなエッセンスを持たない 好み転じて白か黒か
あいまいな境界線を踏む必要もない 好きか嫌いか 好きになれない
                        
華は美しいという 戯言
様々な人種がいるということ 思い知らせる必要もない
触れるものを追い出し 触れられたくないものを招く
華は美しいという 戯言と洗脳 

影響の受け方の手触り 時に勘に障る されど引き際だけ悟る
喧嘩に華がつく そんな理由を とぼけながら 好きか嫌いか
そこだけ底なしに裁く 覚醒させる間でもなく 酔いながら

戯言に振り回されない覚醒が 冷や冷や静かに背骨を曲げている
顔は頑固な老婆に成りすまし とぼけながら幾何学を編んで解いて
世間に洗脳されても洗えない葦で爽快を奏でる
楽譜を嗅げば 見透かされまいと鼻を高く 驕る不思議な背骨の姿勢

あの蘭は嫌い だから触れることはない そっとしておく
あの人は嫌い だから触れることはない されど同じ人種
仕方のないこの世の仕業 華は美しいという 戯言

惑わす外気に酔うな 錯覚に絡み 解けなくなったら
好きか嫌いか 嫌いが嫌いになるなで 好きか嫌いか
遠慮の一歩引いた姿勢が あだになる
はっきり放つ腹からの 鬱憤を正せよ 吐けよ この世は戯言

あの蘭はなりふり構わず 背骨を老婆のように屈み 生きている 
香りさえ嗅ぐこともないだろう
好きか嫌いか 好きになれない それでいい


自由詩 爛漫蘭 Copyright 朝焼彩茜色 2013-07-30 21:16:33
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