ただれ者とルビー
朝焼彩茜色

ドアをノックし過ぎた いつもながら攻めた
利き手も左手も アザだらけに 心の破壊も気の済む魔々に

 平和の白いハトのピントがぼける それでもかすかに清んだ頭上のエナジー

ハイプレッシャーの引き金 虚しさへ辿る前に 暴れる震えを
押えるほどできた人格でもない 攻めを諦められない 青の鼓膜
聞き入れる耳は飾り物 ピアスのルビーは本物 彫り削り熱い

曲線の届かない 憧れの あの空 今は鋭利の硝子越しに反射して
見えない

灼熱を蹴り上げ 皮膚の火傷の痛みも神経に届かない ただれ者
哀れな目線を向ける引き金 くれてやるプライドは腐るほどある

いつもながら攻めた ドアの向こうには 虚しさの底なし階段
心を振って イエス ノーを叫ぶ時間はない

頷く優しい声を聴く耳もない 刺したルビーも一心同体から離れ
彫られ磨かれ情熱に光るだけ

涙も流せない以前に出てこない ただれ者

攻めることしか 相成せない 貫く意志を許す 底なしの虚しさの階段

 平和の白いハトがアングルに留まり 永遠にシャッターを押させない

聴こえない聴き取れない 飾り物の耳 ただれ者


自由詩 ただれ者とルビー Copyright 朝焼彩茜色 2013-07-30 17:48:25
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