天空の魚
梅昆布茶

真夜中に水を打つ音が響く 銀河を泳ぐ魚だ 闇と光のはざまを 滑らかに泳ぐ生き物

それは大宇宙の命の迸り 新しい生命を育む 循環だ

オーロラに彩られ 奴らは泳いでゆく

生命の慈しみを 搾り取るように そして何処かにふりまいてゆく

生命は循環して 種をおとし 何処かで再生し続ける

それは僕たちの 祖母祖父でもあり 子や孫でもある

そう宇宙の系統図は綿々と 宇宙のDNAに刻まれてゆく

枕辺の寝苦しさ それもいいが 宇宙の空気を胸いっぱい 吸ってみたらいかが

あなたの心を侵略するにあたって 天空の魚は 常に群れて泳いでいるのだ

空の流れが見えるなら そこに泳ぐ魚も見えるだろう

僕たちは 自分の魚だけを追って 一生を終わる

天空の魚 それは僕たちだ 天空を忘れて 堕ちてゆく天使達なんだ

だから魚の声を たまに聴いて見ることを お勧めするんだ

そう僕たちは 天空の魚だったんだから


自由詩 天空の魚 Copyright 梅昆布茶 2013-07-23 16:18:20
notebook Home 戻る  過去 未来