変わらない日なんてない
小原あき
変わらない日なんてない
水溜まりは乾き
草は地面を覆う
飛ぶ鳥は雲を追い
日は速度を落として沈む
変わらない日なんてない
日記は二日で書かなくなり
アルバムは途中から白紙のまま
変わらない日なんてない
待ち人はあらわれなくても
空は赤く染まる
待ち人がいなくても
手をあげる誰かがいる
変わらない日なんてない
鳥は巣に帰り
雲は雨を降らす
草は刈られ
星は遠すぎて見えない
変わらない日なんてない
顔の皺は増え
いつかまた
つるりとなって
生まれてくる
変わらない日なんてない
毎日同じことの繰り返し
まいにちおなじことのくりかえし
マイニチオナジコトノクリカエシ
変わらない日なんてない
子犬は年を取り
子どもは大人になる
先にいった子犬の写真を
子どもは部屋に飾る
変わらない日なんてない
見上げる空は
見上げる星は
ここよりも少しだけゆっくり動いてる
変わらない日なんてない
なんにもない
でも
そこには空間がある
変わらない日なんてない
落ちた花びらで
絵を書く
意味なんて
なんにもないけど
自由詩
変わらない日なんてない
Copyright
小原あき
2013-07-23 15:35:40