通りゃんせ
梅昆布茶

町の外れの思い橋 誰を想って茜色 心を寄せた思い橋 泣くのをやめて通りゃんせ

日暮れのいろのこの身には 微笑みは遠く はれぼったい眼で見る世界は 素知らぬふりしているようで

通り雨の様 あの人はまるで通りゃんせ あたしはまるで抜け殻の様 魂抜かれた人形のよう

歌を忘れて立ち止まる 何をよすがに生きましょう お月様にたずねましょう

たとえ心を捨てたとて 誰があたしを抱きましょう 人間らしく成れましょか

町の外れの想い川 暗い流れをみています 今も誰かのぬくもりが さらさら流れる川でした

夏の終わりの風吹いて ひそかにあたしを連れてゆく 何処へゆくのか知らねども 黙ってついて参りましょう

もしも想いが届くなら 大事なお方にしんぜましょう

もしも逢瀬があるならば 命捨てても叶えましょう

もぬけの殻で生きるより 道に迷って通りゃんせ

夏の終わりの風でしょか




自由詩 通りゃんせ Copyright 梅昆布茶 2013-07-21 05:29:49
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