獺祭
石川湯里

わけがわからなくなったら
焦らないこと
騒がないこと
何度でもやり直せること

俺は車を走らせ栗東でおりた
毎度のことだが一号線が渋滞していたのでわき道へ出ると
無数の飛び出しぼうれいが徘徊していたので
顔面蒼白になりながら湖岸を目指した
追っ手を振り切り烏丸半島あたり
水面に浮かぶ蓮に接吻すると
奴隷になった気がした

世の中のうなぎ共は
ぶら下げた一本刀を抜くこともなく一生を終える
いや、抜くことがないと言ったらウソになる
毎日のように抜いてる人も多い
でもちょっと持て余している気がする

伝家の宝刀さんよ
抜けるもんなら抜いて見やがれくそったれが

伝家の宝刀さん「いやだよ自信ないよ。抜いたらきっと笑われるもん。」

マチが間違えて眠ったら
起こさないよう
静かにそっと通り過ぎること
何度でもやり直せること

彼らにも相応の美学があったの太郎
俗世間に酸化し中身を腐らせ
いつしかゾンビのようになり
ピンクの花をつけました

そして俺の怒りは頂点に達しました
ああ世界よふざけんなよ
鉱物は結晶し輝き続けるから
人々を本気にさせるのす

夜になったら
てめえでケツに泥を塗ってやりてえ
てめえの両手で
ケツに泥を塗ってやりてえ


自由詩 獺祭 Copyright 石川湯里 2013-06-07 23:40:45
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