赤 (いち)
容子
たろうを眺めるたびに
こそばゆくなる
こそばゆい
こそばゆい
こそばゆい
くうらんの何にも入っていないあそこから
押し寄せる
大群
真っ赤な
魚
のわたし
たろうを眺める
と
こそばゆい
されど
眺める
こそばゆい
こそばゆい
両足
の
間
押し寄せる
大群
たろうを眺めるたびに
押し寄せる
魚
の
群れ
こそばゆい
の声
と
共に
産まれた
魚
産まれた
のは
魚
か
真っ赤な
声
か
わたし
か
跳ねる
跳ねる
たろう
くねる
よじれる
こそばゆい
たろうを眺めるたびに
こそばゆくなる
こそばゆい
こそばゆい
こそばゆい
両足の間
あ
今
また
産まれる
自由詩
赤 (いち)
Copyright
容子
2004-12-30 22:18:06