シャンパンの行方
Seia
頭を振ると からん
と音がしたので
自販機で詩を買った
歩きながらは行儀が悪いし
近くに落ち着けるベンチもないので
その場でぱらぱらと読んで
隣の既読入れに投げ入れた 百円
立ち去る後ろから
聞こえてくる がこん
詩が取り出し口に
落ちていく がこん
私はシャンパンの行方を知らない
最後の一行が
まだ捨てられたくなさそうに
しがみついて
いるのを振りほどいてもう帰るよ
布団をかぶるとき フラッシュバック
フラッシュバック 布団をかぶるとき
フラッシュバック フラッシュバック
気がつくとそこは昼間の公園
昼間なのに暗い
暗いのは影だ
巨大な影が後ろから 後ろから
振り返るとそこに捨てられた詩が
堆積して山に
山が盛り上がり
巨大な怪物が立ち上がり
立ち上がりそうで立てない
立ち上がりそうで を繰り返して立つ
大地に
頭の部分にしがみついているのは