午前二時に牛歩
mizu K



町境のしじまの軒先で
酒盛りをやっているというので
おともなく
どんなもんじゃといってみると
みな斬られて死んでいた

付近の田んぼから蛙の声がする
ひとばんじゅう
ただししじまになるときは
蛇と地鳴りが地を這うときだけ
空が満天ならアメンボも飛んでいる

数ヶ月前に落雷したところは
昨日の雷雨でもやっぱり
そのあたりをうろうろしていた
きくところによると
雷の通り道というものがあるらしい

夜の道路をひきずり歩くのは牛の亡霊
あなたはカーテンのすきまからのぞいてはならない
ポストに投げ入れられるのは手首
午前三時につづけて、にど
午前四時半にことんと、いちど




自由詩 午前二時に牛歩 Copyright mizu K 2013-05-17 01:23:35
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