アップルパイを捜して
梅昆布茶

僕は隣人部の部員
立派に友達がいないんだ
一緒にお茶したり指相撲大会や野球拳や花札などを
誰とも楽しめないんだいっそのこと親兄弟も縁を切って生きようか
残念系の人間としては情けない良果である
いつか残念系で大成したいのだが

仲良し部の彼女はアップルパイを捜しているみたいだ
ポイント稼ぐにはアップルパイが何なのか
何の為のアップルパイなのか
あるいはアップルパイと彼女の関係性を係数的に解明しなければならないのだ

認知論的進化考古学の知見によれば美の形態学的変遷は

食物としての果実を見分ける検出の美
記憶や物事を整理する体制の美
ネフローゼの腺病質の青年が美しい悲観をそしていつもの
ヤクルトの腸内の美学を想像するのだと想うんだ

怖くても震えても空は青いさだからアップルパイを投げようぜ

誰がくうのか知らないけれど
キーワードはアップルパイあるいはハットかキャップ

テンションもなにも有りはしないんだがそれでも
アップルパイを捜してうろつきまわっているのさ

素敵だろう






自由詩 アップルパイを捜して Copyright 梅昆布茶 2013-05-16 17:51:00
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