蝿の王
梅昆布茶
解き放たれた不自由を享楽して僕らは生きてゆくまるで蝿のように
開放されたものを知らないまま恋もするさそれでもそんぞくしてゆくのさ
不安に抱きしめられ恐怖に翻弄され喜びに舞いあがるそんな日々をせいぜい楽しもうぜ
蝿の国の王はその国でいちばん卑屈な人間なんだ光なんて有りはしない
知恵も道徳も善意でさえもこの国では最下位に属する概念なんだ
そんな国に生きる屍たちは街路を往来し物を生産し消費して塵にもどる素敵なことだろう
日々を不穏に過ごしてやがては黄泉の闇にのまれてゆくだけなのさ終いには老いさらばえ枯れ果ててゆく君も僕もまるで古木のようにね
蝿の王は強大な邪悪を支配するのさ誰に言うともなく正義の闇に讒言する輩なんだ
君の常識なんてね風のなかの塵にすぎないんだ
蝿の国は栄えるのさ蝿の王はさらに崇拝者を集め強大になりつつある
とても素敵なことさじつにね
自由詩
蝿の王
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梅昆布茶
2013-05-12 13:28:11