爺と姫の物語パート3
梅昆布茶

最近姫が西洋音楽をはじめた
ヴィオロンとかいうキーキー言う楽器だ
まわりは大変迷惑千万昼寝もままならんし爺は疲れ気味だ

琴かせいぜい三味線ぐらいでいいと思うのだが
姫の西洋かぶれは止まらんしラッパの化け物のような蓄音機とか言うもので
ベートホーフェンなる音曲を黒い円盤状の物で聴いてばかりいるしまさに
西洋お化けのようでせっかくの美貌も鬼気迫っておるし
爺の悩みは深まるばかりで隠居もままならぬ

西洋流の譜はおたまじゃくしのようで爺には分かり兼ねたし
音色も節も伴天連のけばけばしい品のないものに思えるのだった

いずれ太鼓驟や音曲の連中を密かに焚き付けて何か企む気配
爺はとうてい気が休まるまい ああ世も末


そう言えばこの前まつこと名乗る怪人が江戸市中に出没してスマホとかいう
小さな機械で怪しい通信を繰り返し果てはたいむましーんとかいうキテレツなもので去ったらしいが

世も末化け物の自由に闊歩する江戸はこれからどうなるのか
そう言えばまつこは猪瀬だけは喰えないとか言っていたらしいが
爺の私見では石原こそ前世の化け物世の破壊者んなのだが

本当の爺は一本気で勿論そんな未来は知らない

オリンピックの花と花な〜んて時代はもっと先の先

鼻血が飛び散るリングで
姫が闘う日も近いかもしれないだってさ姫はね密かにワンセグとかいうちっちゃな機械
なんせタイムマシンの原理で電波とやらを時代に飛ばせるそうな
でプロレスにはまっているらしい

既に姫はねミスマッチの塊の気高い日本のヘレンケラーいや違うマリーアントワネットでもない
シンディーローパーでもなくてマックスローチそう不屈の闘志なんだね

爺の悩みは続く
多分永遠に 姫がね いる限りはね







自由詩 爺と姫の物語パート3 Copyright 梅昆布茶 2013-05-03 17:13:28
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