獲得数
梅昆布茶

なにも棄てずに走って来てしまったさて
なにを獲得できたのかな

あいつも去ったこいつも彼女も
だってそれらはぼくのコレクションではないから

すべてを捨てようとも思ったさ
でも無理

ぼくだけはどうしても残ってしまうんだ
とりあえずは残り物から始める

残ったものは純粋かいやそうでもないな
打算の濁りが身体中にこびりついているぜ

あいつとの夜とか
君との仲違いとか
クレヨンのように柔らかく描けたら
消しゴムで消すように
修正できたらいいとも思うんだ

数ではないと質なんだと思っていても
世の中は数を優先するさ
くだらない優先権だ

だからぼくは獲得しないことにしたんだ
なにもいらんし
君も

切なかった想いも
切なささえも切り取って捨てる

獲得数なんて関係ないんだ
只々自分の正直さに見合ったあなたが見えるだけなんだ

世界はあまり正直ではないかもしれないが
ぼくが運営するちいさな世界は
タメ口や策略ででもやっぱり獲得してゆくのさ

いずれマジョリティになって欲しい
君やぼくや彼彼女も

ぼくが一緒に暮らしたワンコとかそんなもんなんだろう
特別でない日々と何気ないものたちに乾杯!

そう
獲得数なんて

まったく関係ないんだ






自由詩 獲得数 Copyright 梅昆布茶 2013-04-21 06:48:29
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