ラッキースター
itukamitaniji

ラッキースター

暗闇にまぎれて 人知れず夢を見る
誰にもバレなきゃいいやと
喋らないで終わらせる ひっそり心の奥で
勝手に決着をつけて

後に残るものは空しさだけ それが積み重なって
取り囲まれて途方に暮れる頃

「こんなはずじゃなかった」 そんな短い言葉が
はじめて言葉になってあふれた


そして君は歩き出す 空っぽの心に
たったひとつ誓いを詰め込んで
誰も気付くことはない 君だけの戦いが
ここであったこと

にぎやかな街の向こう側から 聴こえてくるのは
君を知ろうともしない 馬鹿な奴らの声

「君は君のままでいい」 なんて誰かが言ってても
もう胸張って 信じてる場合じゃないのかも
優しさだけにまみれた うわべだけの言葉だけで
簡単に片付けられるような 日々じゃないよな


ほらもう夜は明けはじめてる
君だけが見届けた終わりとはじまり

「君は君で笑っていて」 そんなきれいな言葉も
もう擦り減って 頼ってる場合じゃないけれど
それも悪くないよな ほのかに残る温もりを
抱きしめてまだ歩けるよ 光の射す場所まで


自由詩 ラッキースター Copyright itukamitaniji 2013-04-08 00:03:03
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