そんなに見たいのか
若いコのスカートの中
欲情対象として現物を数々見知り
地位と枯淡と長小便の中高年になってまで

ケータイにカメラが付いて以来
機能に浮かれただけの興味も潰え
ガキの今日でも知己友人でも花鳥風月でもなく
記録すべきはソコだけだった
といわんばかり
小学校教諭から大学教授、警察官から判事まで
男各種の逮捕者は増加の一途だ

オバサンのじゃ駄目？
あ、そう。言下に
でもほら
パッと見さして変わんないし
大概の女は
好きな男にしか見せたくないけど
オバサンは
好きな男にすら見たがられないから
見せたいタチもいるハズ

大昔クラスメイトにめくられて嬉しかった
なんてゆー
クネねるだけが生き甲斐のスカスカあたまも
一定少数いるらしいし
「おや構わないよ減るもんじゃなし」
なんてゆー
吉原筆おろし専任・貝塚トメノ御大的気質も
一定過半数は持っているのよ
あ、そう。論外

ま
幸福は自分でひり出す陶酔でも
価値の相場は市場原理だ
スーパーじゃおつとめ品の凹んだ桃も
千疋屋で売ったら事件だ
次の大戦で女が半分戦病死でもしない限り
オバサンのスカートの中身なんて
メンチカツどころかイワシの頭よね
わかる、わかる、わかるのよ

ただ腹立たしいのは
そこまで拝みたいものを
タダで済まそうとする根性
賽銭箱に投げたフリでスリみたいな
あんたここは主権在民の資本主義法治国家よ
中高生のふくらはぎ見られるだけでも有難いところ
真空地帯見たいなら
正攻法で相場の取引しなさい

「あのー、樋口一葉じゃ無理ですか…」
「いえ、あなたの存在自体が無理です」

そこは個人の内域だからね
でなきゃ着衣の意味ねえだろーが
そこを侵す論理はレイプと一緒
触れようが触れまいが
動機のバックグラウンドもみんな同じ
ただただ女性の軽視と侮辱だ

ま
そうは言っても犯意が減るじゃなし
かと言って
伸びやかな脚でファッションと自分の関係性を楽しみたい
ひいては世界に鮮やかな一要素として自分を置きたい
若さの特権と個人の志向を規制する権利はナンピトにもない
そこで取らざるを得ないのが自衛手段で
と言ってはやっぱ
とりあえず下着工夫するしかないわけで
オーバーパンツなんてのもあるけど
カバー力に劣るわね

見たいのは何も色柄や股だけじゃなく
食い込みとか布のスジとかハミ尻の造形でしょ？
それを見づらくするなら現行品では
黒や濃紺のショートスパッツが一番いいけど
通勤通学中だけにしても
体操着みたいでつまんないし
体操着フェチが慶ぶのも業腹だし
心理的な打撃を与えるのだったら
やっぱ老女御用達の綿三分丈やアクリル五分丈
ヨレヨレの肌色に勝るものはない
んだけど、まず穿く主体に酷過ぎる

形がそこそこ可愛くて
覗いたゲスを瞬時に萎えさせる
「常識」
これが撃退法のキモとなる
するとギリの妥協線がボクサーショーツ
クロッチにはゴム製のタマをぶら下げる
これでヘテロのサガ挫滅

なんだけどＫＺＮタイツ（※）同様、非実用的だ
弊害としては
　?　位置が違うので歩きにくい
　?　当たり具合で感じちゃう
プリントするとしてもグロい
アイロン転写でお父さんやおじいちゃんの顔にして
睨みを利かせるのも一案だけど
穿く本人にもキッツイ
てか、下着買う側がそこまで譲歩する必要が？

本来はモバイルメーカーが請負うべき問題だ
シャッターの電子音を大きくするだけでいい
これで近接の盗撮者は自粛する
肖像権や個人情報保護にも有効なのに
何故だか企業は出歯亀を助長する
痴漢に売れないと困るってか
まー規制をかけても速攻
秋葉原にサイレンサーが並ぶまでであれ

そこで何がいいかと考えるに
実用性と急務に応えるならば
反射拡散　ではないかと
レンズか画素体に干渉して
ハレーションさせるような繊維
オートフォーカスと白点の関係や
モアレ織りもひとつのヒントかも知れない
ぼわーんとモザイク効果に似た生地で
カレシとの本番にもちょと使える
カレシがメガネならもっと使える

てなわけでお願いしますよ東レさん
とかクラレさん、日清紡さんも
女性一般への敬意や相手を尊重する心性
これを教育で叩き込むには
素人女が余計な媚に縋らずに済む社会
その実現以上に
長い長い時間がかかりますのでね

※　註釈　…　ＫＺＮ（ケズネ）タイツ　
１８０デニールの編地一面に繊維を植毛したタイツ（群馬県在住の発明家・高崎山子考案）。
夏期登山の防寒用に発売されたが、ショッキングな山ガールの装備として山岳雑誌『四方山』、『アルペン・ルンペン』などで取り上げられて話題となり、一般女性のごく一部が買い出してから防犯グッズとして定着した。「縄文ロマン」と「弥生モダン」の２タイプがあり、黒毛スキンベージュ、黒毛ダークブラウン、白毛ブラックの３色展開。
当初は白毛ブラックでなく黒毛ナースホワイトとの３色だったが、見るからに不潔だと医療関係者には全く売れず、むしろ一部のフェティシズムを煽情して男性が買うという逆転化が起きたため販売中止となり、反転色に差し替えられた経緯がある。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〜Fetipediaより引用〜