駅・広島
たりぽん(大理 奔)

昨日は三川町の小料理屋で待っていました
結局、あなたは来られなかったけど
ずっと想っていられたその時間だけが
私に届けられた贈り物だったのだと
そう思うのです。

去ると決めたら懐かしくなる
それがふるさとなのでしょうか?
きっと、それは間違いで
自分が成長したと思える街が
私のふるさと。

今日は部屋を片付けています
たどるように、紐解くように
あなたのことすら
私は箱に詰めていく
旅立ちは残酷です

次の週末に
降り立ったときと同じように改札を抜けます
ずっと、かわらなかった
猿猴橋町も生まれ変わろうとしています

いつかまた、この街を訪れたら
今度は約束もせずにあなたを待ちましょう
贈り物を紐解いて
私の旅を終わらせるために




自由詩 駅・広島 Copyright たりぽん(大理 奔) 2013-03-24 14:10:15縦
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