絶滅危惧主あとインドラ
鯉
鳥の腿肉が宙に浮いたままで歩いてるパンプスめがけて
時速455で垂直落下する縦糸のみグラフ
骨盤を露出した骸骨の群群をいくつもの過去という風が
泥舟の中に置かれたそぶりで追いかける
が、ゼンマイ仕掛けではないのだ
鳥の腿肉は三面の共振を絶えず放っている
ディスコホールはリピートする
騎乗位が終わる度にアトラクションみたいにまた始まる
マジックミラーでフィードされた滑走路を
生肉のスピードだけが走っていく
道路は一瞬のうちに喫煙された
標識のすべてが三日月だ
「にゃう」と猫がうすく鳴いている
骸骨の群群は土を丸く被るのに忙しい
張り型のかたちになる
有機的な呼吸をするのに合わせて
骸骨たちが土をすべて着てしまったとき
鳥は墜落した
こんがりと焼けながら
あれは鳥ではなく土のあとだと猫が言った
その先をずっと行ったとこの紫色の信号をわたって
互いの肉のあまり丸くなった未来都市の
心臓、はドーナツ食べるきみの親指
ぼくは恭しく供犠獣を掲げている
影が男根めく
そのさまに軽蔑する
雨がやがて降る
その肌はうららかに燃える