絶滅危惧主あとインドラ

鳥の腿肉が宙に浮いたままで歩いてるパンプスめがけて
時速455で垂直落下する縦糸のみグラフ
骨盤を露出した骸骨の群群をいくつもの過去という風が
泥舟の中に置かれたそぶりで追いかける
が、ゼンマイ仕掛けではないのだ
鳥の腿肉は三面の共振を絶えず放っている

ディスコホールはリピートする
騎乗位が終わる度にアトラクションみたいにまた始まる
マジックミラーでフィードされた滑走路を
生肉のスピードだけが走っていく

道路は一瞬のうちに喫煙された
標識のすべてが三日月だ
「にゃう」と猫がうすく鳴いている
骸骨の群群は土を丸く被るのに忙しい
張り型のかたちになる

有機的な呼吸をするのに合わせて
骸骨たちが土をすべて着てしまったとき
鳥は墜落した
こんがりと焼けながら
あれは鳥ではなく土のあとだと猫が言った

その先をずっと行ったとこの紫色の信号をわたって
互いの肉のあまり丸くなった未来都市の
心臓、はドーナツ食べるきみの親指
ぼくは恭しく供犠獣を掲げている
影が男根めく
そのさまに軽蔑する
雨がやがて降る
その肌はうららかに燃える



自由詩 絶滅危惧主あとインドラ Copyright  2013-03-18 00:56:46
notebook Home 戻る