小宇宙から流れくる
るるりら

プラナリアに会いたい
永遠の命かもしれないプラナリア

世界は、春霞ではない 黄砂だ
降り注いでいる微妙な沈鬱が 世界を覆っている
それでも 季節はまだ めぐっている
水仙の花は 春を告げている 


土を掘り起こせば 明るみにでた みみずがあわてて
土にもぐる 土を食べ土を豊かにして土を押し出すために
みみずは土に生きる術をもとめ 人々は空をみあげ 出口を探している



プラナリアは みみずよりさらに
単純な構造の生き物だ
なんど切断しても 切断した断片のひとつひとつが
再生しつづけ
栄養状態さえよければ けして死ぬことがないという
プラナリアには 穴はひとつしかない
食べた口から 体に不要なものを吐き出すらしい
プラナリアには出口なんて 必要ない
元来た道を辿れば良いのだから

色あせない永遠の命 プラナリア
人も みみずさえ いきやすさを探して出口を探してばかりいるというのに
永遠の別名 プラナリア

土をほりおこしても 永遠は出てこない
空を仰いでも 永遠の清さはない
出口の必要のないプラナリア
時の中という 永遠ではない小宇宙
ひとつの命という 永遠ではない小宇宙

「プラナリア」と ちいさく つぶやけば
わたしに なにか尊い軸のようなものが ながれくる
黄砂にもゆるがない 力を
体の全部で 受け止める

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初出「あなたにパイを投げる人たち」の即興ゴルコンダ(仮)に
投稿させていただいたもの

タイトルは、aoba_3Kさんです。


自由詩 小宇宙から流れくる Copyright るるりら 2013-03-10 01:22:17縦
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