水町綜助

三月まで残る雪
路傍で灰色に汚れる
事故のようにゆっくりと
とりかえしのつかないことを
ふりつもらせて
やっぱり雪が空に戻ることはなくて
溶けるか
三月まで残る雪
路傍
灰色に汚れる

イビザにて
こおる
西麻布で
おと
水道橋で
からっから
天白川で
てをあからめ
豊田市で
さいしょの
雪をみて
この言葉に意味はない

優しいことが
すきだった
それでも
体温と気温の間にこごえたから
つめたくなることにした
冬の中で
ゆきになって
長い季節
汚れて三月
灰色な路傍で

いつの間にか消えていく
ある夜外へ出ると
植物の匂いがして
水滴を吸い込んだような
夏が来てる
そのころあの
路傍の雪は
どこを流れるのか
漂うのか
潤すのか
どこに閉じられるのか

土のうえにわずかな跡をのこして
灰色の汚れはおきざりにして
水は姿を変える
路傍より


自由詩 Copyright 水町綜助 2013-03-09 05:08:59
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