おとかげろうし
石川和広
若干 死ぬ気持ちが 薄れるときがある なんとなく 変な感じである
こぼれそうな雲の厚い切れ間から母の頭が うなだれている
ソウルケージとはスティングの曲だったか
たましいの鳥籠の隙間を そっと 抜けたような
たぶん いきものの じぶんに 還っている
また明るい死にたい気持ちが 昼寝する ある男の鼻の穴に 入りつつある
自由詩
おとかげろうし
Copyright
石川和広
2004-12-25 17:00:39