午睡 或いは崩れ落ちる砂の壁
そらの珊瑚

ごすいって
ひすいに似たような

たおやかに
睡り続ける
午後
もくもくと
宝石になる練習をしよう

纏足の爪先から
あたたかな成分が溶け出していく
あらがえない麻薬レクイエムのような
ひきとめる者のない孤独のような
まどろみ
飽いたら
愛になる練習をしよう

ひとつきにいちど
わたしは
いのちをすてている
えいえんに
未成熟なたまごたちよ
にぶい痛みのかたわらで
いっさいのためらいさえ持たず
いのちをすてている

子午線の上を
いま 舟が通過してゆく


自由詩 午睡 或いは崩れ落ちる砂の壁 Copyright そらの珊瑚 2013-02-23 12:14:57
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