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葉leaf

火山が地下に向かって噴火した 山の景色は何一つ変わらないけれど その地下では溶岩が地層を破壊し侵している その衝撃で地下の地球の各首脳は次々と会談を開き 押し寄せてくる溶岩による環境問題について議論した 地上では山は美しく人々はゆったりと登山している それでも山は地下へと噴火した

伸ばした手、求める手が落ちていく 信濃川の流れを 国道4号線を 池に沈んだ石は頭痛で回転していて パラシュートは風の汚れを無視する 落ちるのはほんのわずか 朝焼けがいつの間にか白色に変わるように 同輩たちの贈り物は落ちていく 落ちる先にあるものと落ちる先にないものは減算されている

夢の中で僕はあなたに恋をしていました あなたの面影は逆光で良く見えず ただ部屋の中の椅子に座りひっそり佇んでいるあなたを 僕は甘やかな気持で眺めていたのです 部屋は開かれて幾つもの光が交差し 夢から覚めると 途端にあなたの性別が分からなくなりました 僕は性のない人に恋をしたのです

冬が好きだった 空気の冷たさは人々の冷ややかさ 葉のない木々は孤独の渇き 底の見えない夜は絶望の深さ 冬はそうあることで冷やかさ孤独絶望全てを許してくれると思った こんなにも嫌われがちな気取った感慨を許してくれると 冬は何よりも優しかった だが僕は今そんな冬を温める仕事をしている


自由詩 twitter Copyright 葉leaf 2013-02-03 07:51:36
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