錐通し
石川和広

考えすぎと、たれか云う

しかし、霧の中に一度
入ったもの
考えすぎないと
むしろ、僕の霧の触れるままに
いきる
それ歩みつづけること
はっきりと
終わりのない坂の眺望
辿り着くまでは

考察、たとえ交錯しても
考え歩きつづける影のあゆみの形
素朴の美にならぬ

一本の錐通しで
たこ焼きにも
おれの石頭にも
いい風と光の吹き込むイイ穴を
つくる

そしてそこから
千年分の
縄文杉の
ひとりごとを
盗聴してやる

水の音の暗号に
まるままの
ひろがりの地図
書かれてたらいいな



そう思う


自由詩 錐通し Copyright 石川和広 2004-12-22 17:32:14
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