アナザー ドア
そらの珊瑚

廃屋になる少しまえ
きみょうに やねがかたむきはじめた
それは ただのきっかけだったが
終わりまで止むことの
許されない
狂ったアリアだった
ちょうつがいが蝶に戻って飛び立つころ
えんきんほうが
ぐずぐずになった
転調
世界は歪み
肩をすくませて調律師は出ていった
細い亀裂が加速する
見知らぬ時間が追い越していく


そして
誰もいない
廃屋になろうとしている
わたしは初めて
ほんとうの空の青さをを知り
泣くだろう


自由詩 アナザー ドア Copyright そらの珊瑚 2013-01-19 09:04:10縦
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