いつか見た虹
itukamitaniji

いつか見た虹

御託ばかり並べて 書き終えた気になったノート
片隅に書いた パラパラ漫画だけが前に進んでく
下書きばっかりで そこから進もうともしないくせに
急に嫌いになって 破って捨ててしまった

どうしようもない日は 空が綺麗ってだけで
申し訳ない気分になって うつむいて歩く道
楽しそうな街を 横目に通り過ぎて行くけど
この道が一体 何処に向かっているのか知らない

臆病さとか優柔不断さばかりが 心の中で
育ち続けている 僕の敵は僕の中に居ました

やるかやらぬか たったふたつの選択が世界を動かす
たくさんの選択肢を 用意する必要はなかったんだ
だから何かを選ぶ勇気や 捨てられる潔さが
ひとかけらでもあったなら もう少し器用であれたかな


ある日の僕は 雨上がりのまだ曇った空に
微かに掛かった虹を 見つけて喜んでいた
それは今と変わらない とてもくだらない日々だった
けど今よりは 真っ直ぐ前を向いて笑ってた気がする

今や自分を愛せないで 何が未来だ絆だ言うの
くだらなくなったのは きっと自分の心だろう

わけもなくただ 歩いているだけのような日々
掲げている夢も目標も よく疑いそうになるけど
それもいいだろ 元々器用じゃないのは承知だろ
それしかないだろ 困ったことにそれが自分だろ

大切にしまっていた 悲しかった楽しかった風景も
いつか見た虹も いつの間にか見えなくなったけど
それは喜ばないといけない 自分でちゃんと歩いて
離れたんだもんな ちゃんと前に進んだって証拠だろ


自由詩 いつか見た虹 Copyright itukamitaniji 2012-12-29 17:32:38
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