良い人
梅昆布茶

良い人は扱いやすさで軽んじられる
良い人は時に利用されて捨てられる
良い人はもてない分だけ深みが増す

男女交際において
良い人という呼称は決定的なダメージの象徴だが
良い人が好きだ

たぶん彼等はあまり対価を求めないのだろう
直截的なやりとりが意味なくて
ボーっとしている人種なのだと思うのだが

宮沢賢治から学んだのは恋愛ではなく
基本的な生きることと大地と
或いは自分の中のせめてもの敬虔な部分に気付くこと

詩は力を持つのだろうが
美はあくまで抽象的なもの
なにを訴えるかは自由だし

美は倫理も含めて
ひじょうに個人的な感性による

少なくとも僕も含めて
民衆の言葉が流通し響く世であって欲しい

夢というのは
実現をつかまなければいつも夢なのだと思う
挫折という言葉が嫌いです
いつも途上だと言いたいのです

人はときにマニュアルに従うことに安堵を見出します
しかしマニュアル化しないあなたが
産業用ロボットでは代用のきかない
感覚し考え判断するあなたであること

考えることを省いてはいけない
感情においてさえそれは言えるのだ
マニュアル化の波に飲み込まれてはいけない

せめて常に詩を紡いでゆくように生きたいのだ
大好きな良い人よ














自由詩 良い人 Copyright 梅昆布茶 2012-12-21 00:35:13
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