靴底
そらの珊瑚

靴底を裏返してみる
均等に減っている
癖のない人が
うらやましい
愛用すればするほど
そこに紛れもない自分の足跡が刻まれる

靴底なんてどうでもいいぢぁありませぬか
それでもうらやんでしまうのが人間なのでしょう

靴底に裏書きしていく
歩くことが
自動記録装置に直結していて
歩き始めた一歳から
それは引き継がれている
不器用な私の証拠

私が詩を描く理由のひとつに
不格好に磨り減った
この靴底がある

吐き出した言葉を靴底に足し
バランスをとる
なんとか転ばずに
今日を歩いていくために


自由詩 靴底 Copyright そらの珊瑚 2012-12-14 08:54:28
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