月 桑田のおまけの歌
梅昆布茶

遠く遠く僕たちは白い道を歩いてきた
乾いた地面だけが妙に優しくていつも言葉を交わしていた

ロードムービーのしらけた優しさが僕のはじめての街の外だったのかもしれない
泣く場面さえ無い役者はただただ旅を続ける
果てにあるものが予想できる歳になったってあいかわらずさ

人は人を時に評価するけれども
互いの人間的な了解がなければ重大な誤解をも産むし

ただ生きている限りはその粗雑なセンサーと
婆ちゃんの歴史的な指摘をやはり指針としてゆこうと思う

言葉の前に涙がでる人
あるいはその言葉も持たない人

或いは体が表現を持たないままはかなく逝った命たちの
でもそれって僕たちが
今在ることのなかにさすべて含まれているんだなって
こと想ったりしてさ





自由詩 月 桑田のおまけの歌 Copyright 梅昆布茶 2012-12-07 02:37:57
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