朔 或いは静かな底で
そらの珊瑚
カップがソラだとしたら
コーヒーが注がれて
夜が来る
苦い夜がニガテであれば
ひとすじのミルクが注がれる
銀の匙は使わない
やがて白い雲は 時間に溶けてゆく
どこかに月が隠れているはずだったのに
カップがソラだとして
飲み干してみたが
月はなかった
私の月など どこにもなかった
静かな底で ただひとりであることを知る
自由詩
朔 或いは静かな底で
Copyright
そらの珊瑚
2012-12-06 08:17:43縦