月夜
こしごえ






約束された
明日は無い
とはいえ今を
月の光る静けさだ。

わかっています、と幾度
こたえたであろうか
あの時
空から照らす透けた光にうつむいてさ
遠く遠い声であった
てのひらにこころがわれそう
血の気がひいた
あの夜澄む月
ほほえんだ
むなしくて

故に、
忘れ去らないようにしたい
あなたとみた月を。その時
その時に思い出す肌の青白さ
冷たい
清らかな視線に
冷たく つらぬかれた虚空。
生きのびてほしいけれど

そろそろとそろいましたね
あいにいこう
夜気にしみこむ光の音色
絶対音感が耳をかたむけている
誰にも知られず
本当の顔に影がさして欠けてゆく
本当ですか
命が危ない
てのひらをじっとみつめる

いずれあった時に
あいさつを交わそう















自由詩 月夜 Copyright こしごえ 2012-12-01 09:20:02
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