わたしは
あおば

             121128


番号で呼ばれるのになれておりますから
わさわざ氏名を読み上げないで欲しいなと
声の好い看護師を睨み付けるように無言で立ち上がり
ドアを横柄に開けて抜けていったのが旋風のようだと苦笑していたら
窓の外の風見鶏に結わえ付けられた玩具の風車がゆっくりと回り出す
風向きが変わったのかそれとも風が強まったのか分からないが
いつのまにか時間が経過して日差しも移り先ほどまで日陰で気がつかなかった風車を照らしだしたのかも知れない
わたしはかのように結論してからゆっくりと立ち上がり順番を気にしながら窓の外を眺めている



自由詩 わたしは Copyright あおば 2012-11-28 15:44:16
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