淡雪
千波 一也


手のひらを
つかのまだけ
離れてみせる、と

誇らしそうに安らいで
黒髪すやすや

あなたの隣



小鳥の言葉は
拾ってきます

かけらに
なり果てる手前の
懐かしい小枝など

遠慮がちに



十一月の
曇り窓には清い川

恥じらいも、強がりも
ひとつになって
したたって

船旅はやわらかです



すぐにも翻る
颯爽とした陰と親しめば

雪は上手に
乾くのでしょう

肩にも髪にもさわらずに







自由詩 淡雪 Copyright 千波 一也 2012-11-26 20:56:19
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