空波
本木はじめ

魚たち海で溺れるゆめを見て少女はいつしか浅瀬を歩く


青い窓ひらこうとして手を伸ばす祖母を制するそれは青空


Novemberどこにあるのか考える雨が降ってるときの星空


磨かれた鏡が徐々に曇りゆく空を映してしまったがゆえ


少年と少女が知らぬままに墜つ極彩色の夕焼けの裏


これが十一月の青空なのか誰がわかるのだろう人生


きらめきと抱き合いながら徐々に黒一色となる秋の夕波


未定義の関係互いの胸の内秘めつつとわに焼き付く夕陽





短歌 空波 Copyright 本木はじめ 2012-11-18 00:14:59
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