辻音楽師
梅昆布茶

ゼンマイ仕掛けの時間は
古い鳩時計みたいに装飾されてさ

彼女だって珍しくつけまつげをしてる
僕はピンクのカーテンの裏側は何色か考えてる

演奏者の孤独と陶酔
空から蜘蛛が降りてくるなんてまるで
デビッドボウイかブライアンオールディーズみたい

月が周回をやめてその闇を埋める巨大な蜘蛛が
行き来しているそんな世界

僕や君はサイバーに管理され試験管で生まれる

たぶん悪夢ではない現実なのだろう

いま沖縄の高齢者がPTSDだって

おふくろもいつも函館の大火の想いでが夢にでてくるって
本人は死んじゃったけど

たぶん人間ってバランスで生きてるんだろうな

進化の過程で僕らは記憶あるいはそれにともなう感情のありかを
微妙にバランスをとって生きてきた

でもこころのネガに焼き付けられた物ってあるんだろうな

戦争の是非を問う立場ではない
でも悲しみだけは共有できるかも

あした配達する会社は倒産した
でもみんな社長も奥さんも息子知ってるけどさ
そういった処理の膨大さに打ちのめされてしまったり

僕は誰にも心的外傷を与えたくない
誰にも愛されなくても
そんなものだ

ヘイベイビー大好きな海見に行こうぜ





自由詩 辻音楽師 Copyright 梅昆布茶 2012-11-11 22:29:03
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