見分けるちから
梅昆布茶

美しさがある見えない糸の整列にあるなら
その糸の端っこをちょっと引っ張ってみたい

その僅かなゆるみが美しさを引き立てるのだろうか

謎解きが残された人生が美しいように
言い切らない余韻も言葉を美しくみせる

あるいは時の彼方のノスタルジアを優しく呼び寄せてくれるもの
激しく輝くもの魔的な誘引力のあるもの
そうなにかを喚起するものたち

目を惹き付けるあなたの仕種や秩序と統一や静謐に満ちた庭園
ある完成に近づいてゆく気配

真実とはそういったものすべての総合点のことなのかもしれない
われわれが心地よさの別な側面を善とか美とか呼ぶように

そういった求心力は独善とはまたちょっと違って
柔らかで力強くもあって欲しいと思う

光を見分けるちからが欲しい
魂の計画書や星座のエピソードのように
意味を与えてゆきたいのだ

花や岩や風の声を
読んでゆきたいと思うのだ


自由詩 見分けるちから Copyright 梅昆布茶 2012-11-08 16:22:01
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