暖かな眠りに
そらの とこ

ひとり寒い夜は
星を見に 小高い丘のベンチに座る
きみの温かみがぼくの隣に居て
白い息が もやりと消えた
そうしているうちに
一等星から順番に
金平糖みたいな星のかけらたちが
きらきらきゅんきゅん音を立てて
降ってくる
拾っても拾っても
とめどなく降ってきて
地面は やわらかな
音と光にあふれた
ほんのりと甘い香りが鼻をくすぐって
笑いだす つられて 星々も おどりだす
しだいに暖かくなる 足元が
転げ出す 星々が
ぷかぷかぷぷかぷかぷ
宙に舞って
不思議だね 楽しいね
ぼくも いってみたい とお願いしても
宙に浮くのは5センチまで
でもね
きみは笑っているんだ
ぼくの隣で
だから
安心して
今日も眠りにつく
朝が来るまで
泣くことはない


自由詩 暖かな眠りに Copyright そらの とこ 2012-10-28 18:18:57
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