レインボーブリッジを渡る風
梅昆布茶

きょうレインボーブリッジを2度とおった
ゴールデンゲイトブリッジは世界有数の橋だが

カリフォルニアの海風は太平洋を渡ってきっと
お台場の空を見ているにちがいない

つかの間サンフランシスコ湾への想いがよぎる

行ったことのない夢のカリフォルニア
葡萄やオレンジやカレッジガールズの日なたの匂い

そう雨の日なんて無いんだよ
こんな雨の日なんてね

ジムモリソンのクリスタルシップが燦然と陽にきらめいて空を渡ってゆく
それは死にむかうひとすじの夢幻の冷たい炎

ダンシングスクールの悲劇のニュースがモハメッドのラジオからながれてくる
ヴァインストリートではソングサイクルが金色に咲き誇って
ミュシャの神秘とアールヌーヴォーと乾いた農場の午後

レインボーブリッジに風は強く吹いている
僕のこころの裂け目をもふきぬけてやがて大気圏を循環するながれになってゆくんだ

空気を震わすグッドバイブレイション
彼女はとてもクールだし
カリフォルニアサンシャインそしてフレッシュエアー

宇宙に気流があるとしたらそれはきっと
無数のこころの隙間をすり抜けて火の鳥になってしまった
風の形見なのかもしれない







自由詩 レインボーブリッジを渡る風 Copyright 梅昆布茶 2012-10-23 20:28:47
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