浸透圧の恋
梅昆布茶

やさぐれた溶液中の異分子の半透膜越し無垢への憧れ

直下型で僕を揺らすものってきみいがいはこの世にいないよね

骨格って素敵なトロピカルドレスの隙間からのぞく吐息さ

不定愁訴を身にまとい経絡図指す人体予報が好きな君のつぼ

絶景しかないと故郷こき下ろす言葉にいとおしさもらうよる

僕と君のカレンダー13番目の月置忘れめくられてゆく

窓を開ければ中天の月に満たされて更けゆく秋とモンゴロイドの街

踏みにじられるものの声届かぬまま地球はきょうもころがりつづける

手術終え運ばれてゆく娘とわかれふと孤独に気づく秋の盲腸

言葉ならそっと意味をおしえてよはなれた指のあいだの会話の



短歌 浸透圧の恋 Copyright 梅昆布茶 2012-10-03 02:03:57
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