秋の日誌
梅昆布茶

ざわざわと森のゆれるこの夜に月のまにまの生命誌

魂を細胞膜で包んでよ触れ得ぬもののかたち見たくて

ちいさなエゴで組み立てられたものおもちゃの国の総裁となる

こころを巡る海流の漂着地点に旗をたてる

遥かなる索をたどってゆく果のもやいの解けた岸辺に佇む

墓参する日足みじかい午後の坂道彼岸の花のほのかに匂う

東国の防人のうたの聴こえそうな刈入れの稲穂光の海

適当に作ったすき焼それなりに生きれるものだと教えてくれる

からっぽの理念埋める墓も無い国に遺骨のままの兵士が嗤う

デジタルの造型の美女の微笑みの皮肉にもとれて電子立国

いびつにも想える自分をゆるくして青い高みへときはなつ秋






短歌 秋の日誌 Copyright 梅昆布茶 2012-09-29 15:51:42
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