霊園の蝶
梅昆布茶



浅い秋の山麓にはまだ夏が僅かに匂いを留めている

霊園のなか
木漏れ日に似て
かすかな静謐の羽音を伝えるもの

誰かの魂の代償としてここにやすむメタモルフォーゼの
しるし

霊園の空は高く
夏をとむらうように
ほのかな秋のいきづかいが蝶となり

またどこか澄んだ水場の畔へと
帰ってゆくのに
違いない

それを
鎮魂と思っていたい
気がするのだ



携帯写真+詩 霊園の蝶 Copyright 梅昆布茶 2012-09-27 00:09:01
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