夕日のように微笑んで                  
ただのみきや

            万物が一つの花ならば
            誰が愛でてくれようか
            蕾のままに枯れて逝く
            誰が涙を流すのだろう
            花には目がありません
            自分の姿も知りません
            誰が教えてくれようか
            知らないからこそ思う
            なにもかもを喰い尽し
            最後に自分も喰い尽す
            無限の虚無にただ唯一
            漂う孤独はだからかと
            でもわたしは信じます
            外から世界を呼ぶ声を
            汝は美しき花であると
            真の名前を呼び覚ます
            死に逝く蒼き蕾のため
            光が夕立のように降り
            奇蹟のように啓蒙され
            一瞬にして咲くのです
            散る事をもう恐れずに
            


自由詩             夕日のように微笑んで                   Copyright ただのみきや 2012-09-18 22:11:18
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