ただ愛のために
梅昆布茶


愛ってたちのよい錯覚ならばそれも素敵な贈り物だね

愛にも慈悲にも権威なんて要らないんだとふと思う

愛なんてなかったという君を思い出にする僕のわがまま

彼女はいつも体と心を売り渡してそれを恋愛と呼んでいた

愛は世界から断絶するための安易な方便じゃあないよな

エゴイストの企みをオブラートで包んでそれもひとつの愛

最近破れかけてきた屋根のすみからいくつかの星の降り注ぐ

愛のない親だからって愛のない子供たちでもなかったみたいだ

はたして神の記した本の中に人は愛を学んだのだろうか

魚になって愛を食べて鳥になって空に溶け込んでゆくのもいいな





短歌 ただ愛のために Copyright 梅昆布茶 2012-08-28 18:30:48
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