環状遊泳
石川和広

出口がない
そう感じたら
潜れ
潜れ

水死体みたいに
朝の空を流れる

昨日の夜
大阪環状線で
車両事故

ムナシイ
家と反対に
生まれた方へ
帰る

夜をとおりゃんせ
時環状をとおりゃんせ
あやしい光と
気がフレてる鼓動

さや雨の
空間包囲

みんな
なぜ
涙を正直に思うんか?

人間でなしくずしに
時間の束がほどけていく
裸体


このままねむりたい
抵抗するまぶた

朝靄の中に
環状はカーブ
終る朝が
玉結び
からむ


自由詩 環状遊泳 Copyright 石川和広 2004-12-13 08:48:59
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