サナギ
itukamitaniji

サナギ

そして誰も居なくなった 暗闇に紛れて
こっそり息をしてる 見つからないように
捨てられない記憶を 自分ごと閉じ込めて
静かに夢を見てる まぶたは開けたまま

いつまでも眩しい記憶を 胸に秘めて
こんな広い世界で 君は迷い子


時間の流れだけが いつでも正しいから
君はあぶれて 少しずつズレてしまう
いつしか開かなくなった 扉を叩いても
空しく響くだけ 誰にも聞かれずに

夜でも昼でも無い 世界に閉じこもって
SOSを放つ力も 失くしてしまったかい

何処にも行きたくないなら そこからだって構わない
ちゃんと聴こえるよ 無言の君の声が
僕は君を歌うよ 偽善者なんて呼ばれながら
君が長いこと蓄える時間はね いつか羽になる


いつか一緒に見た 夜空の色を忘れても
君が隣に居たことだけは ずっと忘れない

夜明けがまだ遠いなら
どうだい、星が綺麗だよ

閉ざして縛りつけたのは いつか開ける為でしょ?
鍵の在りかは いつでも君の手の中
僕は君を歌うよ 偽善者なんて笑われながら
君が長いこと蓄える時間はね いつか羽になる

もう一度 きっと羽になる


自由詩 サナギ Copyright itukamitaniji 2012-08-26 21:12:06
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