風鈴
蒼木りん

月があかるい夜だけでいい
時間よとまれ

猫になって屋根から屋根へ

帰って来た半端もんは
泣きたくても泣けない
苦しい洗濯機のぐるぐる

あと
どれくらいお前といられるだろう
確実に私より先に死ぬお前
私のほうが先かもしれない

私が死んだら
誰がお前に餌をやるんだろう
死ぬわけにはいかない
お前を残して

風鈴になりたい
風がなくても唄ってあげる





自由詩 風鈴 Copyright 蒼木りん 2012-08-02 00:51:02
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