時速15キロ
あおば

               120801




走る速さは梅の花
なんじゃこりゃと
頭を上げてモモンガーが叫ぶから
蝙蝠の喩えだよと抗弁するのんびり屋の台風
ラジオからは彼等はまだ発達段階だから走るのも遅いのだよと分かったような声がする
力の方向が分散していて無駄になっているんだ
分かったふりして自転車に乗る
自転車は合理性が高く力の無駄が少なくて
すいすい走れるんですよねと
一輪車が懸命に話しかけるが
突き放して我が道を急ぐ
のんびりしていると梅が散ってしまうのでねと
適当な理屈を載せ
人車一体突っ走る



自由詩 時速15キロ Copyright あおば 2012-08-01 23:50:57
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